KEY QUOTEこの記事の主となる言葉
歓びにも涙、悲しみにも涙、その涙に湿おされた愛しき子はすなわち悲しき子である。
この言葉を読み解く
『日本精神史研究』の本文で、直前の「愛の理想を大慈大悲と呼ぶことの深い意味はここにあるであろう。」を受けて置かれた一文です。
原文の直前と直後
直前の文は「愛の理想を大慈大悲と呼ぶことの深い意味はここにあるであろう。」です。
掲載した一文の後は「かくて我々は、過ぎ行く人生の内に過ぎ行かざるものの理念の存する限り、――永遠を慕う無限の感情が内に蔵せられてある限り、悲哀をば畢竟は永遠への思慕の現われとして認め得るのである。」へ続きます。単独の標語として切り離さず、この流れの中に置かれた文章として読みます。
出典から確かめられること
このページで確認しているのは、『日本精神史研究』の本文にこの一文があり、上記の前後関係に置かれていることです。
短い一文だけから、著者の生涯全体の信条や、別の作品での立場まで同じだとは断定しません。出典リンクから段落の続きを読めます。
人との関わりを考えたい時に読むなら
この一文を「人との関わりを考えたい」という関心から読む場合も、都合のよい部分だけを標語にせず、直前の論点と次に続く文章を一緒に確かめます。
今の自分に重なる部分と、作品が書かれた時代や文脈に属する部分を分けると、一文を正解として押しつけずに受け取れます。
READING NOTES
この言葉から持ち帰れること
- 出典は和辻 哲郎『日本精神史研究』の本文
- 直前と直後の文を併記して、引用の位置を確認する
- 著者の全思想と決めつけず、作品内の一文として読む
出典を確認する
青空文庫で公開されている『日本精神史研究』の本文を使い、この一文と直前・直後の文を照合しました。著者の生涯全体を代表する発言とは断定せず、作品本文に置かれた一文として掲載しています。
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